「相続放棄」の誤解!じつは2つのやり方があります

「弟は相続放棄するので、不動産は私の名義にしてください」とお客様からご依頼を受けることがあります。
相続放棄はその名のとおり相続を放棄することですが、遺産分割協議に基づき相続権利を放棄する場合と裁判所に申述する相続放棄とで手続き内容と効力が大きく異なります。

相続放棄と聞くと我々のような専門職は後者の裁判所に申述する相続放棄と考えてしまいますが、実際に話しを伺うと遺産分割協議による相続権利の放棄だったということが多いです。

ご自身では相続放棄したつもりでも、実は民法上の相続放棄ではなかったという誤解があるかもしれません。

遺産分割協議に基づく相続権利の放棄

相続人が複数いる場合、相続財産の配分は遺産分割協議にて行います。

例えば、父が亡くなり相続人は子供の甲と乙で相続財産は自宅である不動産のみとします。
甲と乙で相続財産は甲が相続することになった場合、遺産分割協議書の内容は「甲が自宅の不動産を相続する」となり乙は自宅の相続権に関しては放棄したことになります。
ただし、以下3つの注意点があります。

1.裁判所に申述をする民法に規定された相続放棄ではない。

2.あくまで、「遺産分割協議書に記載されている相続財産に関して私は相続しません」という意味にすぎません。
今回の事例では、乙は自宅は相続しないという意味でしかないのです。つまり、他の相続財産(後日自宅以外の不動産が発見された場合など)は放棄しておりませんので、再度遺産分割協議をおこなう必要があります。

3.債務は相続することになります。ここが1番の注意点です。
上記事例でいうと、後日父に多額の借金があることが発覚した場合、乙は何も相続していないが債務は相続することになります。

「自分は相続放棄をしたから、借金は甲のみが負担しろ。」というわけにはいきません。繰り返しになりますが、あくまで遺産分割協議書に記載された内容のみを相続しないという意味だからです。
(遺産分割協議で借金をだれが相続するかを決めることはできますが、あくまで相続人間のみ有効にすぎません。債権者は相続人全員に請求することができます。)

もし、借金を相続したくない場合は次に解説する、裁判所に相続放棄を申述するしかありません。

裁判所に申述する民法上の相続放棄

民法938条:相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

こちらが正式な相続放棄です。自己に相続権があると知った時から3か月以内に被相続人の住所地管轄の家庭裁判所に申立書を提出しなければなりません。
相続放棄をした者は、その相続に関して初めから相続人とならなかったものとみなされます。

つまり最初から相続人ではないということになりますので、当然借金を相続することもありませんし、遺産分割協議に参加もできなくなります。
相続放棄に関する手続きなどの詳しい解説は別途コラムを作成したいと思います。

まとめ

一言で相続放棄といっても2通りの方法がありますが、借金を相続したくない場合は裁判所に相続放棄を申述するしかありません。

相続財産を何も相続しない場合は、遺産分割協議書に調印する前に相続放棄の申述を検討するのが無難といえます。
多額の借金を相続しても、知らなかったでは済まないのが怖いところですね。

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