生前に遺産分割協議、相続放棄、遺留分放棄は有効?

                                               

「父が生きているうちに相続に備えて遺産分割協議しときたいです」、「相続発生前に相続放棄させることはできるんですか?」
このような趣旨のご質問を受けることがあります。

生前に贈与を受ける代わりに相続放棄をさせたい、後々揉めるのが嫌なので被相続人が存命のうちに話しをつけtておきたいなど、被相続人や推定相続人の思惑などがあり生前に遺産分割協議や相続放棄のニーズもありそうです。

結論ですが下記のとおりとなります。
生前の遺産分割協議→無効
生前の相続放棄→無効
生前の遺留分放棄→有効 ※ただし、家庭裁判所の許可が必用です。

代替え的な手続きがないのかも含めてそれぞれ解説していきます。

生前の遺産分割協議は無効!

事例として父Aと推定相続人がBとCの2人の子と仮定します。
Aが存命中にBとCで「Aが亡くなった場合は全ての相続財産はBが取得する。」このような内容で遺産分割協議書や念書を作成したとしても無効になります。
実印で押印し印鑑証明書が添付してあったとしても、Aが同意していたとしても結論は変わりません。

無効ですので対外的はもちろん当事者間でも有効にはなりません。
よって、Aが亡くなり相続が発生した後、CはBに対して「自分も相続分が欲しい」と主張することができます。
Bは上記の念書や遺産分割協議書を理由に「Cに相続する権利はない!」と言うことはできません。

生前の相続放棄は無効!

生前に相続放棄することも無効になります。
例えば上記の事例でCが「父親Aから不動産の贈与を受けたので、Aの相続分は放棄します。」と念書を書いたとしても無効となります。

相続発生時にCは相続分を主張できるうえ、生前受けた不動産の贈与が無効になるわけでもありません。
そもそも、相続放棄は被相続人が亡くなった後、3か月以内に家庭裁判所に申立てをする必用がありますので生前に家庭裁判所に申立てすることはできません。
※民法938条:相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

代替的な手続き方法

相続発生前に遺産分割協議や相続放棄は無効になることを解説しましたが、代替え的な手続きとして生前に被相続人の協力があれば遺言を活用する方法はございます。

最初の事例でいえば、父Aが遺言を遺し「子Bには不動産を、子Cには預金を相続させる。」といった内容であらかじめ相続財産の配分を決めることはできます。

結果として生前に遺産分割協議をするのと同じことになります。

生前の遺留分放棄は可能!

生前の相続放棄はできませんでしたが、家庭裁判所の許可を受ければ被相続人が生前でも遺留分の放棄は可能です。

手続きは家庭裁判所に遺留分放棄の申立書を提出後、裁判所で裁判官との審問(面談)があります。
この審問によって許可か不許可が決定されます。
具体的に裁判官が重視するポイントは下記になります。

1.遺留分放棄が本人の意思か。

2.合理的な理由があるか。

3.相当の代償があるか。

例えば、「私は父からマイホーム購入のため多額の資金援助を受けているし、兄が父の介護も一手に引き受けてくれたので父の相続財産は全て兄に譲りたい。よって遺留分も放棄いたします。」
こういったケースであれば合理的な理由と相当の代償があるといえます。

以上のことから遺留分放棄のハードルは高く、必ずしも許可がおりるとは限りません。
申立てをする前に1度は専門家に相談することをお勧めいたします。

まとめ

1.生前の遺産分割協議及び相続放棄は無効です。念書や遺産分割協議書があっても結論は変わりません。

2.上記の代替え的な手続きとして遺言を活用する方法がございます。遺言者と推定相続人でよく話し合い、お互いに納得すれば後日争いになる可能性が減ります。

3.生前に遺留分の放棄は可能です。ただし、家庭裁判所の許可が必要です。
要件として、本人の意思と合理的な理由及び相当な代償が必要なのでかなりハードルは高いです。簡単に許可はおりないと考えた方が無難です。

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